今週のお題「急に寒いやん」
急に寒くなったので、母の衣替えを手伝いました。
母はクローゼットの上や奥にあるものはもう自力では取り出せません。
2,3年前から,私が手伝うようになりました。
これがとても厄介な行事でした。
3年ほど前でしょうか、
母と「着る!」「もう着れない!」と喧嘩しながら、
ゴミ袋3個パンパンにまとめて、
次のゴミの日に出せるように片付けてあったものを、
ゴミの日に母の家に行くと、3袋だったものが1袋の半分ほどになっていました。
すっかり母に、元のクローゼットの奥に押し込まれていたのです。
そんな感じなので、毎年衣替えは私的には気が進まないのですが、
万が一、母が棚の上の箱を取ろうと踏み台にでも乗って
こけてはいけないので手伝います。
けれども今年は、私の片付けを観ているだけで母は口を出しません。
それだけ母が年老いたということでしょうか 。
今年は思い切って、母と相談して、
外出用のスカートを全部処分することにしました。
一つ一つゴミ袋につめながら、
「これ、発表会で来たのよねー」「これ、何年も来たスーツなのよねー」
と、懐かしそうです。
私は、母の人生でもうスカートを履いて街を歩く事がないなら、
母が最後にスカートを履いて歩いたのは、
「何時だったのかなぁ」と思いました。
ゴミ袋に捨てられていく洋服一つ一つに、母には思い出があるはずです。
出来ることなら残してあげたいのですが、母のクローゼットの容量もあり、
この先衣替えをしなくても良いように、必要な物だけを残したいので、
そうもいきません。
ありがたい事に、母のマンションにはリサイクルできるように
古着を置く場所があります。
コロナで一時期使用不可でしたがそれも再開され、
誰かの役に立つならと、捨てる母の気持ちも少しは楽なようです。
歳を重ねるということは、一つずつ諦めが増えていくことなのですね。
けれども私の母はおしゃれをすることを諦めているわけではなく、
冬服をタンスにしまいながら、
「このタートルの上にはこのスカーフが合うのよねぇ」
「お正月にはどれを着ましょうか?」
「赤い帽子は服を合わせるのが難しいわねぇ」
と言いながら片付けていました。
急に寒くなりました。
92歳の母がお出かけできる日が少なくなって来ましたが、
冬のお気に入りのコートにマフラー、帽子と手袋、
そして今年はステキなマスクを身につけた母と、
(コロナやインフルエンザに十分注意しながら)
晴れの日は、ぼちぼちお散歩したいと思います。
今週のお題「急に寒いやん」