with age 92歳の母のぼちぼち介護日記

母の介護を通して、素敵な歳の重ね方を学びます。

唐鳳(オードリー・タン)

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唐鳳(オードリー・タン)

最近このブログのプロフィール好きな著名人欄に、
付け加えた方がいます 『オードリー・タン』さんです。

彼女は1981年台湾に生まれ、2016年35歳で最年少で閣僚入りした
天才デジタル担当大臣です。
ユーモアとデジタルを駆使し、いち早くマスク不足解決に導いた方です。
24歳の時にトランスジェンダーであることを公表しています。

コロナ禍の今、時の人である彼女の事を私が語るまでもないでしょう。
魅かれる理由はとてもたくさんあり、読んでいる本は次々付箋が増えてきます。

彼女の言葉や政策はどれも素晴らしく、ここに書ききれるものではありませんし、
デジタルやAIの専門的な事は、私ごときではちゃんと理解できているかどうか
分かりませんので、私が知った彼女の素晴らしさを、
自分の言葉でまとめてみたいと思います。


私が彼女を知り、すぐに魅かれたのは、あるインタビューを観たからです。
彼女は日本を含む海外メディアから多数インタビューを受けていますが、
その言葉はどんな質問にも澱むことはなく、時に詩を読むように、美しく、
物腰柔らかく、誰に対しても誠実に真摯に答えています。
相手を常に敬う姿勢に感銘します。



彼女は、「私は政府のため、国民のために働いているわけではありません。
 政府と共に、国民と共に同じ方向を向いて歩いているのです」
for ではなく with なのだと繰り返します。



彼女は、「私の世代は、ちょうど上のアナログ世代と、
 下のデジタルネイティブ世代(生まれた時からデジタル世界に生きている世代)
 の谷間の世代で、両方の世代を結び付けることが役割で、
 デジタルネイティブ世代が社会の方向性をリードし
 我々上の世代がサポートするという意識を持ち、コントロールしてはいけない
のです」
 と言います。(39歳の彼女は自身をもシニア世代と言います)

けれど決して、若い世代ばかりを見ているのではなく、
シニア世代,、障がいを持った人達も「支援のAI」が助けてくれれば、
社会へ自分の経験や蓄積を提供できて、現役世代と働くことが可能になり、
よりインクルーシブルな社会を生みだせるきっかけになると言います。

彼女はそれを実現するために、プログラマーの職を離れ入閣したのです。


又、彼女がよく口にする言葉があります。
"Humor over Rumor" 噂よりもユーモアを!
噂やデマが流れたら、2時間以内にコミュニケーションの専門家が、
インターネットミームハッシュタグを使って、
ユーモアかつ正確な情報を発信し、国民を正しい方向に導くということです。
台湾には『ハッシュタグ専門の官僚』がいるそうです。

そして『オープンガバメント』政治の透明性を強く説きます。
そうでなければ、国民は政府に政府は国民に寄り添うことは出来ないと言います。
彼女の政策、話したこと、対談など全て記録され、誰でも何処からでもアクセスすることができ、
誰でも(例え選挙権を持たない年齢の子供でも)
直接政府に意見を言える仕組みもつくりました。



彼女は、遠隔地に住む人、障がいを持った人、高齢者、LGBTQ+全ての人が、
教育や医療を受ける権利、生命の安全、結婚の自由を平等に持ち、
多様性に満ちた社会の実現を可能にしなければならない、そのためにも
これからはローカルとグローバルな両方の視点を持ったグローカルな人材を育て、
AIやデジタルを駆使し、新しい未来を作らなければならないと言います。

旅行好きな私がとても素敵な発想だと思ったのは、
現在台湾に入国する外国人は、一定の健康観察待機期間があるそうですが、
空港から連れて行かれる先は、日本のように狭いビジネスホテルではなく、
台湾でも郊外の景色の良い素敵なホテルの広い部屋だそうです。
そこでは、屋台料理も注文できますし、VRを使って疑似観光もできるそうです。
これなら、ちょっとそれを体験するために台湾に行っても良いと思いませんか?

高齢者を若者が理解するために、VRを使って昔の街並みを一緒に体験するのも、相互理解につながるとも話していました。
 

まだまだ彼女の素晴らしいところは、私の拙い文章では伝わらないと思いますので、
一度彼女の本を読むか、You tube を見て下さい。
私のお薦めの動画を2本リンクします。

寸時に相手のニーズを理解し、相手に合わせた話し方をしているところに、
彼女の敬うべき人間性がみえます。



IBM Way Day オードリー・タン氏(台湾デジタル大臣)基調講演


”オードリー・タン流” #デジタルは自由のために「おきなわ新時代への道を拓け!」


彼女はコロナを収束させるのに、最も重要なことは、
とてもシンプルで、「マスク、石鹼で手洗いすること、ソーシャルディスタンスです」と繰り返します。
それを徹底した台湾は既に、感染拡大を食い止め、イベントやフェスを開催しています。

日本では、河野さんが『ワクチン担当大臣』になり、9月には『デジタル庁』が始動しますが、
(河野さんがそうだと言うのではありませんが…)怖い顔で、難しい言葉で話す初老の方ではなく、
彼女のような、専門知識と柔軟な発想持ち、美しい言葉でユーモアを交えて話してくれるような、
若い発信力のあるグローカルな人材がこの国にも育って欲しいですね。