with age 92歳の母のぼちぼち介護日記

母の介護を通して、素敵な歳の重ね方を学びます。

ケアされ上手

1ヶ月程前から、母のリビングの机の上にこの本が置いてありました。

 

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人生百年学のすすめ


著者は、「高齢社会をよくする女性の会」理事長で、

評論家として、 テレビやラジオでもお馴染みの樋口恵子さんです。

 

 面白そうなので、母から借りて私も読みました。

 

この『老~い、どん!』は、母達介護される側の視点から書かれているので、

ケアする側としても、これからケアされる側になる者としても大変興味深い一冊です。

 

どの項目も、人生100年時代の心得のヒントになるようなことが、

彼女の2019年87歳の実体験を通して書かれています。

 

どの項目を読んでも、「そうだよねぇ"(-""-)"」と思う事ばかりでしたが、

その中で私が1番興味を持って読んだのは、『ケアされ上手でありたい』という、

話でした。

 

私の老人介護施設やメンタルサポート・グループホーム🏠で働いた経験や、

今ご両親の介護をされている友人の話から思うのは、

私達60代が目指すところは、いかに『ケアされ上手』になるかです。

 

🔶ポイントは”ユーモアとありがとう”樋口さんは書かれています。

 

そうなのです。実はとてもシンプルな事なのです。

例えそのケアが自分の意にそぐわなくても、

第一声はケアしてくれる人に対して「ありがとう😊」で始まる事です。

「どんなことも私の事を思ってのことなのですね」と感謝の気持ちを言葉で述べ、

その後「とてもありがたいのだけど……」と今の自分の気持ちを素直に

相手に伝えられれば良いのです。

その上で、なるべくお互いが納得出来る方向に話を運べればと思います。

 

もちろん、それはシンプル且つ難しいのも承知しています。

私は、母が感謝してくれているのは重々わかっているのに、

ぶつかると💥感謝が足りないと、酷いことを言ってしまいます。

 

ですが、たとえそうなろうが、それは一時の感情です。

肝心なのは、日々の積み重ねだと思います。

 

母は、私が会えない日にどうしてるかと電話すると、最後に必ずこう言ってくれます。

「いつも気にかけてくれてありがとう。

 あなたもコロナにかからないように気をつけてねと、

まるで電話機の前にそう最後を結ぶべく書いて貼ってあるかのように毎回です。

 

そして、一昨日の私の息子との電話での会話でもそうでしたが、

「お母さん(私のことです)がこうやって来てくれるから助かっているのよ」とか、

訪れるケアマネさんや、エレベーターで出会うご近所の方にも、

同じことを言ってくれます。

 

最近のニュースで、家族介護による介護引きこもりや親子心中

悲しい結末の記事を目にするようなりました。

 

 介護されている人達こそが、周りの人達にその事をアナウンスしておくことが

『ケアされ上手』で、そうする事で介護される人もする人も孤独にならないのです。

 

この本にはこうも書かれています。

【自分で家事や体調管理をするのが難しくなってきたときは、

「ヘルプ・ミー」と、自立を助けてもらう弱者に変容することが求められます】

 

最後まで、その人らしく尊厳を保ち生きていくのは容易くありません。

ですから、60代なったら、人生100年時代の備えとして、

「ありがとう」を誰にとなく、どんな時にも、特に家族やご近所さん、

もちろんお世話になるヘルパーさん達には言えるようになるように

心がけておく必要があります。

 

そうしておけば、『ケアされ上手』=愛される人=尊厳を守られる存在

でいられると思います。

 

 

 そしてもう一つ、樋口さんユーモアがある』ことも『ケアされ上手』

条件にあげられていますが、

これは今まで私のブログを読んで下さってる読書の方ならお気づきでしょうが、

母のは天然です。

 

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散歩途中の母です

私の母は、”ユーモアとありがとう”を兼ね備えた『ケアされ上手』な人だと思います。

 

そして、私達関西人のおばちゃんは、土地柄笑わしてナンボで育って来たので、

関西圏以外の方よりはいくばくかは、

『ケアされ上手』の要素は備わっていると思います(๑・̑◡・̑๑)V

 

 

こうして書き終えて私思いました。

60代の私が『ケアされ上手』どうしたらなれるかと考えていたかを忘れないように、

これから素敵に歳を重ねるためにブログがあって本当に良かったと(^_-)-☆