with age 92歳の母のぼちぼち介護日記

母の介護を通して、素敵な歳の重ね方を学びます。

父の香り

今日は母の家の洗面所の片付けました。

母を片付けている私の横に座らして、現在使っている物だけ残すように促します。

 

昔泊まったホテルの備品のシャンプーやコンディショナーやブラシ、

頂き物の石鹸 ,いつ買ったか分からない歯ブラシや歯磨き粉が何本も出てきます。

 

これらには、服や靴とは違い、思い入れはないようで、

次々と、母に簡単にゴミ袋に捨てられて行きます。

 

その中に、生前父が愛用していた👇が出てきました。

 

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aramis EAU DU TOILETTE

 

父はこのアラミスの売り場の綺麗なお姉さん達とおしゃべりをするのが好きで、

当時職場も近かったのもあって、(今は神戸阪急デパートになりました)

そごう百貨店の化粧品売り場によく足を運んでいました。

 

 

父は晩年、ほぼテッペンハゲだったにもかかわらず

このオードトワレの他に、ヘアトニックも愛用していました。

 

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父の頭はこんな感じでした。

      2004年父84歳、亡くなる10年前です。母は76歳、息子は18歳です。

 

ですから、それを父が頭に振っていると、

👨「ほとんど地肌から跳ね返ってるよ。(*^▽^*)それ無駄だよねー」と、

私や息子はよくからかっていました。

 

それでも辞めなかったアラミスは、父にとって人生の長い時間身に纏っていた、

特別な香りでした。

 

アラミスの香りは独特な結構強めの香りで、

以前住んでいた同じマンションのお嬢ちゃんのAちゃんが、

👧「おじいちゃん来てたでしょう⁉️」

 「来てたよ。わかった(+o+)⁇」

👧「だってエレベーターの中におじいちゃん👴の匂いしてたよ」と言うほどでした。

 

父が亡くなる前の3ヶ月の入院中、私はアラミスを病室に持って行き、

清拭の後、必ず綿棒にトワレを少し付けて、父の耳の後ろにつけたものでした。

 

最後はオムツをして、せん妄を発症していた父でしたが、

私は最後まで、変わらずお洒落な父でいて欲しかったのです。

そして、看護士さん達にもそう思って欲しかったのです。

 

私の勝手な想いでしたが、父の生涯最後の尊厳を守っていたつもりでした。

 

今も父の仏壇には、ヘアトニックが置かれています。

母にとっても、アラミスは父の香りの大切な思い出なのでしょう。

 

先日から、音楽や写真、昭和の道具によるの回想の話を書きましたが、

母や私達家族にとってアラミスは、父との昔の思い出を蘇らせてくれる、

香りの特別なアイテムなのです。

 

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母は何を回想しているのでしょうか?

 

 

 

 

 

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