with age 92歳の母のぼちぼち介護日記

母の介護を通して、素敵な歳の重ね方を学びます。

おもてなしの心 

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今年初めての美容室でした。

私が通っている美容室は、住宅街にある、のれんが掛かった、
一見すると和菓子屋さんのようなたたずまいの美容室です。


この美容室には、4回目の訪問です。

以前長く通っていた美容室があったのですが、スタッフの方と仲良くなりすぎて、
あまり言いたいことが言えなくなって、少し居心地が悪くなっていたところに
お店の場所が変わったのを機に、お店を変える事にしました。

変えたお店は、スタイリストさんはとても腕のいい人で1年程通いましたが、
お店の雰囲気が合わず、別の美容室を探していました。

そんな去年の9月ごろ、Hot Pepper で見つけて今の美容室へ行きました。

新店舗であること、スタッフが全員女性であること、ほぼ個室であることが
ここを選んだ理由でした。

伺ってみると、予想以上に居心地のいい空間と時間でした。
三重県にある美容室の支店で、スタイリストさんは大阪➡芦屋に来た方です。
私が今まで通っていた、都会的な華やかなスタッフとはひと味違う、
落ち着いていて所作のきれいな30代の女性がトップスタイリストです。

私も歳をとりましたので、華やかで賑やかなキラキラ空間より、
こちらの私だけのための空間の方が落ち着くようです。


そこで昨日こんな事がありました。

前回までは、施術中選べるお茶が出ていたのですが、
今回はカラーの途中「コロナ禍なので、お茶をお出しするのを辞めました」
言われました。

一瞬私は「ああ(+_+)ここもか…」と思いました。

以前通ったお店も去年、非常事態宣言が出た時、急に同じことを言われました。

お茶云々は別に良いのですが、そうするなら事前に電話か、もしくは、
お店に入った時に教えてくだされば有難いのにと思います。

途中お茶が頂けると思い、私は少し喉が渇いていてもそのまま入店することもあります。
ほんの2時間ほどの施術の間ですが、水分を取らないのは、私達60代もそうですが、
高齢者の方も少し辛いと思います。

前もって教えて頂けたら、家から持参するか、近くの自販機で買っていく事ができます。

「ここも分かってないなぁ…」と思いかけた瞬間、
彼女が「お水で良ければご用意できますがいかがですか?」

「冷たいものと、常温とどちらが宜しいでしょうか?」と言われました。

「常温でお願いします」と私は答えました。

私はすごくうれしくて、でもちょっと…「お水が出せるのに、お茶はダメなの(?_?)」
思っていると、素敵なボトルのお水が目の前に置かれました。

そして、「もし、飲みきれなかったら、宜しければお持ち帰りくださいね」
一言が添えられました。

よく目にする市販のボトルであれば、「これって○○円のボトルだね」
なんて(^^ゞ思うところですが、
お洒落なフイルムの貼られた、持ちやすい形状のボトルです。こんな心遣いも素敵です。




男性の方には、お分かり頂けないかも知れませんが、
女性にとって、美容室での時間は特別なものです。

忙しい家事、育児や介護、仕事の合間、安くないお金を払って、
施術はもちろんですが、自分だけの自分のための時間も買っているのです。

ですので、お店に入った瞬間から、お店を出るその瞬間までの時間は
至福のひとときであって欲しいと思います。

『コロナ禍でも、どうにかして飲み物をお出しする』という、ちょっとしたことですが、
ゲストの気持ちに寄り添い、出来る限りのサービスを提供する。
これが「おもてなしの心」ではないでしょうか。